日本人のための世界史入門 – 小谷野敦

Contents

■帯にあるとおり。世界史を大づかみするための本

歴史というのは、その時に誰が何をしたか、どこに何が起きたかを知り、それらがどう今に繋がっているのかを知る。
重要なこと、大きなことを知っておけば、専門家や歴史好きじゃなければ、とりあえずはそれでいい。
っていうスタンスで書いたのがこの本なんじゃないかな。
っていうのが読後というか、読んだいる途中からずっと思っていたこと。

コラムや本文にちょこちょこと雑学・雑談・余談的な要素を入れているのも、そんなに方に力入れて学ばなくてもいいんだよっていう思いからじゃないかな。

古代から現代までの世界史を、ざっくり大づかみに知るにはいいかもしれない。

■目次

序言 歴史は偶然の連続である
第1章 皇帝とは何か、王とは何か
第2章 あえて「暗黒の中世」と言ってみる
第3章 ルネッサンスとは何か
第4章 フランス革命と十九世紀
第5章 日本の擡頭、二度の大戦
第6章 現代の世界
あとがき

■あくまでもざっくり大づかみ。入門書を読む前か後に読むのがいいかも。

私は世界史を詳しく知りたかったわけじゃないし、ざっくりと流れをおさらいしたかった。
そこで選んだのが『2時間でおさらいできる世界史 – 祝田秀全』『2時間でおさらいできる世界史 近・現代史篇 著/祝田秀全』、そしてこの『日本人のための世界史入門』だ。

2時間でおさらいできる世界史を2冊読んでから、本書を読んだのは流れとしてはよかったと思っている。
2時間でおさらいできる世界史も、なかなかざっくりとしているんだけれど、本書より突っ込んだことが書いてある。本書はあくまでも補完というか、2時間でできる世界史の内容を復習する意味では読んでよかった。

この手の本は、教養の最低限としての歴史を思い出したいとか、知っておきたいという人が読むものであって、すでにある程度の知識を持っているのなら読むべきではない。
他にもっと詳しく書いているものを読むべきだ。

本というのは、選ぶ側にも責任がある。
自分にとって必要な本を選ぶ力は身につけたほうがいい。
ネットで探しても、レビューを読んでも、だいたいはハズレる。
一番いいのは、ネットで数冊ピックアップして、タイトルと著者と出版社をメモするなりスマホに入れて、じっさいに書店に行って、自分の目で確かめることだ。
ネットで見つからなかった本が同じ棚に並んでいて、なんとなくその本を手にとってみたら、そっちの方が自分には必要な本だったってことはよくあることだしね。

ネットのレビューほどあてにならないものはないと思ってるんだよ。
本も音楽も映画も、個人的なものなんだよね。
自分でおもしろいと思ったものが、他の人はそうでもなかったり、レビューの星が少なかったりすることだってある。
でも、それでいいじゃないか。
自分がおもしろかったんなら、自分には役に立ったんなら、自分が気に入ったのなら、それでいいんだよ。

逆のこともある。
星が多かったり、いろんな人がおもしろいと言ってるから読んだり観たり聴いたりしたけど、自分にはいまいちだったとか。
それもそれでいい。

なんでこんなこと話してるのかって言うと、この『日本人のための世界史入門』がネットでは星が3つくらいなんだよね。
何を期待して読んだのかわからないけど、それは新書の役割を知らないか、選んだ人がある程度、世界史の知識があったか、もっと詳しく突っ込んだ内容を知りたかったのか。だとしたら、この本を選んだ本人にも責任がある。
そういう本を選べなかったんだから。

世界史に限らず、入門書ってのはたくさん出てるんだから、自分がどんな入門書を探しているのかってことくらいは、本を選ぶ前に考えておくことだし、内容がどんなものかもちゃんと調べるべき。
考えたし調べたけどっていうのは、言い訳であって、選ぶ力が自分になかったんだなって認めて、次に活かすべきなんだよね。

繰り返すけど、私は2時間でおさらいできる世界史を2冊読んだ後にこの『日本人のための世界史入門』を読んでよかったよ。知識の定着に繋がったし、補完にもなったから。

楽天ブックスはこちら→日本人のための世界史入門 (新潮新書) [ 小谷野敦 ]

Amazonはこちら→日本人のための世界史入門 (新潮新書)