2時間でおさらいできる世界史 – 祝田秀全

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■タイトルのとおり、おさらいや流れをざっくりつかむためなら役に立つ

世界史って、まず人名覚えるのだけで大変だ。同じ名前で1世がどうした3世がどうした。それを西暦と繋げなきゃいけないし、どこの国で起こったことなのかも覚えなきゃいけない。
ヨーロッパの歴史を数十年分勉強したかと思えば、中国の歴史をさかのぼって、そこからヨーロッパの歴史を学んだところまで勉強して、それをさらにヨーロッパと中国とで照らし合わせて、どの時期にどこでどんなことしてたかってのを復習して、それを覚えているうちに歴史の流れがわからなくなって……ってことがありがちだ。

この本は、細かいところはさておいて、世界史の流れをざっと見渡すための本。
四大文明の時代から、何がどうなって今に至っているのかが見えてくる。

なぜヨーロッパは複数の国で構成されているのか、日本と中国と朝鮮半島は何がどうして今のようになったのか。
アメリカが強くなったのはいつから、どんな理由でなのか。
かつて強かった国々が力を失ったのはなぜなのか。

繰り返そう。これらのことも含めて「ざっくり」と歴史の流れを知ることができる。
だから、すでに知っている人はもちろん買わなくていいし、読まなくていい。

■目次

第1章 古代文明とオリエントの統一
第2章 秦・漢帝国とローマ帝国の隆盛
第3章 ヨーロッパ世界の成立と隋・唐帝国
第4章 イスラーム帝国の出現と発展
第5章 十字軍派遣運動とモンゴル帝国の時代
第6章 グローバリゼーションと主権国家の形成
第7章 近代市民社会とアジアの専制国家
第8章 産業革命と国民主義の発展
第9章 帝国主義と三つの世界戦争
第10章 戦後世界から21世紀の時代へ

■世界史を知ることと日本史を知ること

私の世界史の知識は、数十年前の中学生の教科書レベルだ。高校では日本史を選択したので、中学校卒業後は一度も世界史を学んだことはないんだ。
「私もっ」という共感を得たいわけじゃない。むしろ恥ずかしいことを告白してるんだよ。

日本にやってくる海外の方は、仕事であれ留学であれ観光であれ、歴史をよく学んでいる。自分の国の歴史はもちろん、日本の歴史も多くの日本人よりよっぽど知ってる人が多い。
これね、恥ずかしいことなんだっていう自覚を持ったほうがいい。

かつて日本は知識レベルでも世界のトップクラスだった。
それがいまやなんとかトップテンに入っている程度。
海外に行くと、歴史や哲学の話をすることが多いらしい(もちろん、そうじゃない海外の方もいるんだけど)。
その時に日本人は何も言えない人が多いというのを、聞いたことや読んだことがある。
自分が生まれ育った国の歴史を知らない、話せないっとことは、恥ずかしいことなんだ。

そして、日本の歴史を知ったら、日本のどの時代で何が起きていたとき、世界はどうだったか、何が起きていたのか。
もちろん逆でもいい。
たとえばヨーロッパで百年戦争が起きていたとき、日本はどの時代で、何が起きていたのか。
そして、日本は世界各国とどう繋がってきて、今の状態になっているのか。
これらを知るだけで、なぜ同じヨーロッパなのに、親日の国と反日の国があるのかもわかる。

と言っても、今から細かく学ぶのはさすがに辛いっていう、私みたいな人にこの本は役に立つ。
ただし、これだけじゃなくて、この次の『2時間でおさらいできる世界史 近現代史編』も読むことをすすめる。
日本史もそうなんだけど、世界中が目まぐるしく変化して、同盟を組んだり裏切ったりして、二度の世界大戦を経て、さらに冷戦がありながらも、いろんなことが起きて、今に至っているのは、近現代からだ。

排除したり敵視するだけじゃなく、知ることだって必要だ。
っていうか、そもそも知らなきゃ、受け入れることも拒絶することもできないよ。

日本はおそらく今でも、寛容さでは世界ではトップクラスだ。
それをなくそうとしているのは、20年ほど前からいっさい信用も信頼もしていない一部のメディアだ。
別の話になるから、ここでは言わないけど、テレビもネットもラジオも雑誌も新聞も、単行本・新書・文庫・マンガどの形態の本も、鵜呑みにしちゃいけない。
「プロパガンダ」を検索して、これが戦前戦中戦後、そして今も巧妙に使われているってことだけ言っておこう。

話を戻すけど、歴史を知ると、やり方は変わったけど、やってることは変わんないっていうことが見える。
他の記事でも何度か言ってるけど、人間は、自然科学や人文科学、技術を発展・進化させてきた。
けど自分たち人間は、ぜんっぜん進化も進歩も発展もしていないんだよ。
神話の時代からね。

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