新版ずっとやりたかったことをやりなさい – 著/ジュリア・キャメロン 訳/菅 靖彦

2018年3月7日

Contents

■プロになるかどうかは別として、
 創造的に生きることで、自分らしさを取り戻す

 子供の頃、一人のとき、何をして遊んでいたか覚えてる?
 絵を描いていたかもしれないし、物語を作っていたかもしれない。
 小学生や中学生になり、将来、画家や漫画家になりたいという夢を持っていたかもしれないし、作家や映画を作りたいと思っていたかもしれない。
 自然、動物、天体、人物を写すカメラマンになりたいと思ったかもしれない。

 この『ずっとやりたかったことをやりなさい』は、そんな、子供の頃にやりたかったこと、今思えば、子供の頃の自分がやっていたから、技術もとうぜん未熟だけれども、好きでやっていたこと。中でも「創作」「創造」に関することを、今からまた始めて、毎日を豊かに、自分らしく生きるための方法が書いてある。

 帯には「50歳からスタートして脚本家になった」「アーティストになった」「イライラしなくなった」と書いてる。なんだか毎日が空虚に感じたり、自分には他にやりたいことがあるとぼんやりとした思いがあったり、毎日がつまらないと感じているのなら、この本を手に取り、まずは本に書いていることを、毎日少しだけ時間を作ってやってみてはどうだろう?

 本来、ずっとじぶんがやりたかったことを、仕事や家事、その他のことで「時間がない」「はじめるにもお金がない」「とにかくそれどころじゃない」「自分には才能がない」などと自分で自分に言い訳をして、やりたいのにやらないで生きてきたせいで、潜在意識、無意識の部分にいろいろなものがため込まれている。
 それを、創作という形で外に出すことで、自分では気づかなかった自分の内面を見たり感じたりすることができる。

 プロになるかどうかは別として、誰にも見せずに自分だけでやってみてもいいだろうし、写真ならインスタグラムに投稿したり、小説ならアメブロなどブログに投稿したり、小説を発表するサイトに投稿したり、もう一度夢を目指そうと思って、賞に応募するのも、もちろんあり。
 絵、小説、詩、写真、書道、陶芸など創作するものはたくさんある。
 どれにするか考えるのではなく、あなたが子供の頃に好きでやっていたことがあれば、それを。なければ、好きで観ていたものや聴いていたもの、読んでいたものをやってみては?
 初めは誰にも見せるつもりがなかったのに、続けていくうちに誰かに見てもらいたくなったり、インターネットで公開したくなるかもしれない。その時は、何を言われようが、やってみること。
 安心して。批判に対する受け止め方も、この本には書いてるから。

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■目次

推薦文
二十五周年記念版への序文
[序文]私自身の旅
◎基本ツール
第1週 安心感を取り戻す
第2週 アイデンティティを取り戻す
第3週 パワーの感覚を取り戻す
第4週 本来の自分を取り戻す
第5週 できるという感覚を取り戻す
第6週 豊かさの感覚を取り戻す
第7週 つながりの感覚を取り戻す
第8週 芯の強さを取り戻す
第9週 思いやりの心を取り戻す
第10週 守られているという感覚を取り戻す
第11週 自立の感覚を取り戻す
第12週 信じる心を取り戻す
アーティスト・ウェイ 質疑応答
終わりに
癒やしの言葉
訳者あとがき

■基本ツールについての個人的な考え

 この本では、基本ツールとして「モーニング・ページ」と「アーティスト・デート」という2つのツールが重要だと書いてある。
 しかしこの「モーニング・ページ」が、これから取り組もうと思っている人にとっては、重荷に感じて、まさに三日坊主で挫折する可能性大。
 そこで、これはあくまでも私なりの意見なんだけど、この「モーニング・ページ」はページ数にこだわらないことが大事なんじゃないかなと。
 本ではA4で3ページ、毎朝「モーニング・ページ」を書くとあるけど、これはかなりの量であり、時間も取られる。詳しいやり方は、ここではもちろん書けないけど、簡単に言うと、思考せずに浮かんできたことをそのまま書くこと。
 大事なのは、毎日3ページ書くことではなく、ほんの数行でも、逆に3ページ以上でも、毎日書くこと。私は、初日から3ページを書こうと思って、2日目で早くもやめたくなった。
 気を取り直して、毎日書くことだけを習慣化したら、日によって数行で終わったり、5ページ以上書いたりしてる。

 1ヶ月やり続けることで、やっと「モーニング・ページ」の重要性がわかってくる。寝起きに、脳みそがあれこれと考え出す前に、頭や心に浮かんできたことを、ノートにただただ書く。
 これは、直感を感じやすくする訓練にもなりますし、自分の本心を知ることにもつながる。それと、自分がどれだけくだらないことにとらわれているか、どれだけ考えなくてもいいことを考えているかを知ることにもなる。脳と心の掃除にもなるんだよ、これ。

 もちろん、どうしたらいいかわからなかったことの答えが見つかったり、きっかけが見つかったりすることもある。

 もう一つの基本ツール「アーティスト・デート」ですが、こちらは、とりたてて挫折する要因はない。
 1週間に1回、お金をかけてもかけなくても、ただただ純粋に楽しむことだけの目的で時間を過ごすだけ。
 行ったことがない店に行ってみたり、子供が興味だけで、自分のお小遣いで買うような、数百円のものを買ってみたり、お金をかけずに公園を散歩してみたり、通学・通勤範囲なのに通ったことがない道を通ってみたり。
 観たことがないジャンルの映画をレンタルしたり、聴いたことがないアーティストの音楽を聴いてみたり、なんでもあり。
 何かのためではなく、ただただ楽しむことだけに時間を使う。
 1週間に1日、数時間だけだ。

 忘れていたことを思い出したり、それまで意識もしていなかった物事に興味を持ったりと、こちらも基本ツールだけあって、やる価値あり。

■本書を実践した結果

 この『ずっとやりたかったことをやりなさい』を、本のとおりに12周間かけて実践した。
 モーニング・ページは日によって数行~数ページとばらつきはあるけど、毎日書き、アーティスト・デートは週に1回やり、本書に書いているワークもすべてこなした。
 結果、仕事や家庭の環境で離れていた、小説の執筆に再度取り組んでいる。
 数年間というブランクがあるけど、あえて小説を執筆していた当時を思い出すことはせず、一から取り組むことにした。取り組んだばかりで、まだ完成はしていませんが、完成したら賞に応募するか、どこかのサイトで発表する。

 また、小説を改めて書くことによって変わったのは、人への思いや物事への視点。
 執筆から離れていたここ数年は、マスメディアやインターネットの情報に流されていた。受け取るだけで、受け取ったことをよく考えもせず、また、他の視点や意見を取り入れずに、受け取った情報をそのまま鵜呑みにしていたことが多かった。
 これは、今だからわかるんだけど、非常に危険だ。
 なぜなら、戦時中の日本もやっていたことで、今でも多くの国がやっていることなんだけど、マスメディアを使った大衆操作にまんまと引っかかることにつながるからなんだ。
 現在はスマホやパソコン経由での、インターネットからの情報もこれに含まれる。
 フェイクニュースや、個人の思い込みやきちんとした裏付けがない情報が溢れている状態で、受け取った情報が本物かどうかを判断できるスキルが必要です。
 また、受け取った情報も、ある一方の立場に偏っていることが多いから、逆の立場からの情報や、中立的な情報も私たち個人個人が「意識して」探して、取り入れないと、偏った立場の情報だけを受け取り、それが本当であり、真実だと思いこむ危険性もある。

 この『ずっとやりたかったことをやりなさい』を通して得たものは、改めて小説を書こうと思った以上に多かった。
 時間をおいて、また読み返す。
 また基本ツールである「モーニング・ページ」と「アーティスト・デート」は、これからも続ける。
 この2つのツールから得られるものは、小説に関することや創造に関することだけではなく、日々生きていくこと、自分の人生をどう生きるかなど、多くのものを得て、発見して、気づいて、考えることができるから。

『世界最強の商人』や『その後の世界最強の商人』もそうだったけど、自己啓発や引き寄せの法則というものは、数日や数週間で得られるようなものではない。
 そもそも、そんな急激な変化に人は早々対応できない。
 今の状態を変えたいのに、変えることに抵抗や不安を感じてしまうのが人間なんだから、時間をかけて、少しずつ変わり、気がついたら以前の自分が嘘のように変わっていたというのが、本来の道すじだ。

 長いようで短いのが人生。今の自分を変えたいのなら、その人生の中の数ヶ月を、自分を変えるために、自分の人生のために費やすのは、消費でも浪費でもなく「投資」なんじゃないかな。
 ただし、どの本を選ぶか。
 これだけは、くれぐれも慎重に選んだほうがいい。
 目安としてはやはり数十年読まれ続けている本がいい。
 たとえば『思考は現実化する』『世界最強の商人』『その後の世界最強の商人』そして本書『ずっとやりたかったことをやりなさい』などがいい。

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