その科学が成功を決める – 著/リチャード・ワイズマン　訳/木村博江

2018年2月27日2018年3月7日

Contents

■自己啓発、成功法則を科学的に検証■

　自己啓発法、成功法則、引き寄せの法則、潜在意識活用法、現在、書店にはコーナーができることもある、人気のジャンル。
　ところで、本当に効果があるの？
　という疑問の答えが、この本にある。

　著者のリチャード・ワイズマンは、多くの関連資料を集め、検証し、被験者を募って、実際に実験。
　本当に効果があるのは、しっかりと理解して、時間をかけて行うものしかないのか？
　本当に効果があって、誰にでも、簡単にできる方法はないのか？
　答えはこの本に。

■目次

はじめに
実験1 「自己啓発」はあなたを不幸にする!-「自己啓発」を実践している人は、何もしない人より幸福度が低いという
衝撃のデータ
実験2 「面接マニュアル」は役立たずだった!-「ヘマをしたほうが好感度がアップする」という米デューク大学の大規模調査
実験3 イメージトレーニングは逆効果ーペンシルヴェニア大学研究室発「プラス思考が人生を暗くする!」
実験4 まちがいだらけの創造力向上ノウハウーオランダでの研究成果「暗示をかけるだけで人は創造的になれる」
実験5 婚活サイトに騙されるなーノースウエスタン大学発「大勢にモテようとする女は敬遠される」
実験6 ストレス解消法のウソーアイオワ州立大の研究では「カラオケは逆効果」
実験7 離婚の危機に瀕しているあなたにー「夫婦間の話し合いは効果なし」ワシントン大学調査が下した冷徹な事実
実験8 決断力の罠ー「集団で行う意思決定はリスクが高い」というMITの実験結果
実験9 「ほめる教育」の落とし穴ーコロンビア大学発「ほめられて育った子どもは失敗を極度に恐れるようになる」
実験10 心理テストの虚と実ーアテにならないこれだけの科学的根拠
おわりに
献辞・訳者あとがき・参考文献

■『その科学が成功を決める』の読後の感想■

　理屈や理論じゃない。まずは、目に見えない世界、目に見えない力があることを、心から信じること。
　という「考えるな感じるんだ」みたいなことが、自己啓発法、成功法則、引き寄せの法則、潜在意識活用法の本に、よく書いてある。
　たしかに、それはそうなんだけど、どうも純粋に心から信じきれない。
　純粋に信じて、本に書いていることを毎日毎日、すでに半年とか１年やってるけど、どうも結果が出ている気がしない。
　ってことが、自己啓発本やスピリチュアル本の場合、まあまあ、いや、よくある。
　私も、いくつか思い当たる方法がある。
　この『その科学が成功を決める』を読んで、すべてではないけれど、解決したこと納得したこともある。
　実験３の「イメージトレーニングは逆効果」の章は、目からウロコだったよ。

　結果として、自己啓発法などに書いていることがいいと言っているものもあるにはあるんだけど、理屈、理論、科学的証明があるとわかると、安心感がある。

　集団で行う意思決定はリスクが高いのも、そんな気がしていただけだったけど、本書を読んで、なるほど。
　ほめる教育にも違和感があったんだけど、これも、本書を読んで、なるほど。

　一周まわって、過去に読んだ本に書いていることを実践することになったものもある。
　日誌、日記をつけることなんだけど、これも、この本に書いている内容で続けることで、いわゆる「今いる場所で咲く」というか、まずは今の自分は幸せだと思うことができるようになった。
　夢や目標を叶えるために前向きに取り組めるようにもなった。
　つまり、それまでの無駄に使っていた時間や悪習慣が減り、やりたいことをやるための時間が増え、やりたいことをやっているために、幸せだと思うことも多くなったということ。

　さらに、こうなると、他者への感情も変わる。仕事への取り組み方、気持ちも変わる。
　今の仕事も、いい仕事じゃないかと思えるようになったし、同時に、今の仕事ではできないことをやりたいという気持ちも出てきた。
「仕事が嫌だから辞めたい」などという、ネガティブな理由で仕事を辞めたいと思わなくなった。

　まあ、この本だけのおかげではないし、いわゆる、宇宙とつながるとか大いなる力とか、そういう目に見えない存在や力はある派だし。
　偶然と取るか、必然と取るか。
　どんな障害が起きても、自分で乗り越えられる壁だと思うか。
　など、この本以外の本に書いていることも総合して、行動している。

　思うだけで願いが叶ったのなら、この本を読む必要はない。
　理論、理屈、科学で納得したうえで、自己啓発に取り組みたいのなら、この本はうってつけ。

　どちらにせよ、自己啓発に興味ある、今までいろいろとやったけど効果が出ていないのなら、本書をとりあえず一度、読んでみては？