私の読書の履歴書4 中学生3

記憶というのは、頭の中だけで思い出すと強く残っているものがいくつか出てくるけど、こうして文章にすると、忘れていたものがどんどん出てくる。

今まで読んだ本は、忘れているものやタイトルを思い出せないものもあるし、正直、これは書かなくていいかなというものもあるんだけど、このブログでは、できるだけ書いていこうと思ってる。

私は、小・中・高校で9年間、吹奏楽部でトランペットを吹いていた。
当時は休みといえばお盆と年末年始、テスト前の数日だけで、土日祝日も毎日練習していた。
部活が終わった後に友人の家に行って、数時間いろんな事を話したり、ゲームをやったりもしていた。

1人のときも、ファミコンで遊んだり、音楽を聴いたり、テレビも見ていたし、学校の宿題も当然あった。
本を読む時間なんてそんなにないように思えるんだけど、思ってた以上に読んでいたなぁ。

さて、本題に入ろう。

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●古事記

これもギリシア・ローマ神話と同様、読みたいというよりは、読まなきゃいけないと思って読んだ本。
だけど、買ったのが岩波文庫版で、原文と読み下し文。
中学生であれを読むのは、かなりきつかった。

原文はすっ飛ばして、読み下し文をものすごく遅いスピードで読んだ。
読んでた文章の意味も正しくはなかったはずだ。
それでもおもしろかった。

下巻に入って、急激に冷めた記憶もある。
まあ、冒険とか神々とかじゃなくて、人間の話になるからね。

この世界は最初、天と地は分かれていなくて、混じり合っていた。
最初っから想像力が及ばない。
でもすぐに天と地が分かれる。
で、高天原に三柱の神が現れる。天之御中主神(アメノミナカヌシノカミ)と高御産巣日神(タカミムスヒノカミ)と神産巣日神(カムムスヒノカミ)だ。
この三柱の神は性別がない。で、このあと古事記には一回も出てこない。

で、次に地がまだ固まっていなくて、これまたどろどろだったときに、宇麻志阿斯訶備比古遅神(ウマシアシカビヒコヂノカミ)という一回で覚えられない、かみそうな名の神と、天之常立神(アメノトコタチノカミ)の二柱。
この二柱も性別がない。で、この後、古事記には出てこない。

しょっぱなに登場して、世界を作った重要な神であるのに、古事記に出てくるのはここ一回だけ。
しかし、この五柱は特別な神だ。なにせこの世界を作った神々だから。

そして、性別がない神はまだ登場する。
地上界の永遠を司る国之常立神(クニノトコタチノカミ)、自然に命を吹き込む豊雲野神(トヨクモノノカミ)。
この二柱も性別がない。

で、このあとに、やっと聞いたことがある神が登場する。
伊邪那岐神(イザナキノカミ)と伊邪那美神(イザナミノカミ)だ。
ここまでの七柱の神は、神世七代という。そして、性別がない独り神で、姿を見せない。

え?数が合わない?
そうなんだよね。これなぜかっていうと、最初の二柱の神はそれぞれ一代と数え、男女の神を合わせて一代と数えるからだとか。男女合わせて一代ってのはわかるけど。最初の二柱の神を一代と考えるのがよくわからない。

ここで私は「古事記すげぇ」って思ったんだよ。何がすげぇって、文庫本で2ページで、世界(っていうか日本)ができちゃったんだよね。 もっとこう、壮大なSFスペクタル的な感じで書いてもよさそうなんだけど、2ページなんだよ。 で、2ページなんだけど、その2ページにものすごい熱量というか、感覚を覚えたんだ。 これはまあ、読んだ人にしかわからない感覚なんだけどって言いたいんだけど、そうでもないらしい。 「わかる~っ♪」って言われたの、3人くらいしかいないから。

でまあ、このあと、伊邪那岐神と伊邪那美神がまぐわって子を成す話になり、最初は儀式を間違い、水蛭子(ひるこ)を生む。その後、三度目以降順調に子を生むが、火之迦具土神(ヒノカグツチノカミ)を生んだときの火傷で命が尽き、黄泉へと旅立つ。

この、伊邪那岐神が黄泉へと下る話が、当時の私にはなかなか強烈だった。
有名な話なので割愛。
っていうか、古事記読んで。

黄泉の国から帰った伊邪那岐神が禊をしたときに生まれたのが、天照大御神(アマテラスオオミカミ)、月讀命(ツクヨミノミコト)、建速須佐之男命(タケハヤスサノオノミコト)。

建速須佐之男命の物語はおもしろい。
ギリシア・ローマ神話のヘラクレスの物語もおもしろく読んだが、こっちのほうが好きだ。
でもこの話、長くなるので割愛。
っていうか古事記読んで。

他にも国譲り神話、海幸彦と山幸彦の話があり、初代神武天皇が誕生する。
このあたりもまだおもしろいんだよ。
倭健命(ヤマトタケルノミコト)の話は、十二代景行天皇のときに出てくるし。

やっぱ、神々の物語感が薄れて、人間の話になると、個人的にはいまいちなぁって思うのが、下巻かな。

と、古事記についていろいろと話したけど、最後にひとつだけ。
古事記も日本書紀も、当時の権力者の力が働いていることを忘れないように。

つまり、都合の悪いものは、なかったことになってたり、話が捻じ曲げられている可能性があるってこと。

日本は、第二次世界大戦後、アメリカに占領された。
その後、属国になった。
けど、軍事的には2018年9月現在、アメリカの属国のままだから。

憲法で戦争しないって言ってるから、どこも攻めてこないなんて、そんなおめでたい話はない。
日本に攻めてきたら、アメリカが黙っちゃいないから、どこの国も手を出せないだけだから。
でも、そのアメリカも、いざというときに日本を守ると確約しているわけでもないんだよね。

映画『スノーデン』のオリバー・ストーン監督は、来日したときのインタビューで、こう言ってる。
「日本は同盟国だって? 違う。日本は『人質』なんだよ」ってね。

脱線したけど、なにはともあれ、古事記は読んでおこう。
私たちが生まれ、生きている、この国の物語なんだから。

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いや、ごめん。
他にも読んだ本について書きたかったんだけど、古事記のこと書いてたらつい盛り上がってしまった。
あとサムネイル画像、いつもの本に関する画像じゃなくて、古事記にちなんで、なんとなく神を感じる画像にしてみた。
というわけで、また次回。

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