私の読書の履歴書6 中学生5

思い出せるもので、中学生時代に読んだ本は、今回で終わる。
他にも読んだのはたしかだなんだけど、思い出せない。つまり、当時の私にとってはそういう本だったということだ。
今読んだら「すげぇ」って思ったかもしれないのに、なんだかもったいない気がするがしかたない。

●人間失格

ご存知、太宰治『人間失格』。
タイトル勝ちだ。いや、内容はもちろん素晴らしいんだけど、どれだけ内容が素晴らしくても、すごくても、壮大でも、人類史に残るような作品であったとしても、手に取られなければ読まれない。読まれなければ売れない。そしてひっそりとその本は消えていく。

その点、この本はすごいじゃないか。
人間失格ってタイトル。これだけでとりあえず手に取るし、中も少し立ち読みする。
名作として、また、夏の文庫本フェアで必ずと言っていいほど平積みされていたりするので、読書感想文で課題図書が決まっていないなら、まず手に取る。

私もタイトルでこの本を手に取り、読んだ。
内面に抱えているものや、思っていることを見せないように、始まってすぐあたりで、家族や友人の前でわざと明るくふるまうと書いているところで、共感したのを覚えている。

深刻ではあるがユーモアのある文章と物語を読み終え、あの時の私が思ったのは「こうはならずに、とにかく生きよう」と決めたことだ。

そして、この本の印象が強かったため、他の本もこんな感じなんだろうと決めつけて、中学生時代に読んだ太宰はこれ一冊だけ。走れメロスも学生時代に読んだんだけど、中学生だったのか高校生だったのかが曖昧なんだよね。

走れメロス。読めばわかるけど、メロス、けっこう自己中っていうか空気読まないというか、共感できなかったんだよなぁ。
友人のために走れメロス!みたいになってるけど、そう思ってるんなら、もう一回読み返したほうがいいよ。

で、人間失格読んだことないんだったら、とりあえず読んどいたほうがいいと言っておく。
っていうか、各出版社が夏の文庫フェアでピックアップしてる文学や詩集は、読んどいたほうがいい。
今まで何十年という時間を生き残ってきた作品には、それなりの理由があるものだから。

楽天ブックスはこちら – 人間失格改版 (新潮文庫) [ 太宰治 ]

スポンサーリンク


中学生の時って、マンガは週刊誌を立ち読みするだけで、何も買っていなかった気がする。残ってないんだよ、記憶に。
ゲームやってたからかな。
当時、いろんな会社から、統一された規格でMSXっていうパソコンがあったんだよ。私はTOSHIBAのPASOPIA IQっていう機種を持っていた。プログラムの言語はBASICと言われていたものだった。
本格的なプログラムはできなかったけど、本を買って、簡単なプログラムを勉強した。画面にドット絵の花火を打ち上げたりとか、ほんと簡単なものだったけど、おもしろかったな。
そのMSX、ほぼゲーム機として使っていて、ファミコンで販売されていないゲームとかやってた。
アドベンチャーゲームは、ファミコンだと選択型になってしまって、つまらなかったから、パソコン版で英語の単語を打ち込んでやってた。

ファミコンはドラクエとファイナルファンタジーの最初のが出たあたりで、女神転生の最初のも出た。ウィザードリィもパソコンから移植された。
RPGにどっぷり使っていた時期だったな。

本は、集英社文庫コバルトシリーズも読んでたんだけど、あれ女子向けのシリーズだったから、レジに持っていくのが恥ずかしかったな。
火浦功さん以外では、小林弘利さんの本はけっこう読んだ。
『星空の向こうの国』とか好きだったなぁ。
って書いてて思い出したけど『童話を胸に抱きしめて』も良かったぁ。たしか全4巻だった気がする。
え?検索して調べろ?
うん、まあそうなんだけどさ、忘れる前に書いとかなきゃね。

というわけで、『童話を胸に抱きしめて』は全4巻で間違いなし。
小林弘利さんは、SFとファンタジーに淡い恋愛が入っている物語を書く人で、読後が切なかった。
今でも表紙を替えれば通用しそうなんだけどな。
あ、大人が読むには内容がね。

楽天ブックスでは2018/09/16現在、取扱なし。

楽天ブックスでは2018/09/16現在、取扱なし。

さて、中学生編は今回で終わり、次回からは高校生編。
基本、火浦功さんと夢枕獏さんとH・P・ラヴクラフト読んでたけど、もちろん他にも読んでたので、またいろいろと話そうと思う。

スポンサーリンク