私の読書の履歴書2 小学校高学年~中学生1

2018年9月15日

Contents

■小学校高学年

このあたりだったと思うけど(記憶曖昧)、小学校の図書室に画期的なことが起きた。
マンガの導入だ。

漫画と言っても、もちろん少年週刊誌のマンガではない。
入荷したのは『はだしのゲン』だ。
(なぜ学校でこの『はだしのゲン』だけがマンガで図書室に置かれたのかはこちらを参照)
Wikipedia「はだしのゲン」へのリンク
→ https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%AF%E3%81%A0%E3%81%97%E3%81%AE%E3%82%B2%E3%83%B3

簡単にいうと、連載誌が数度移り、最終的に日教組の機関誌『教育評論』で連載されたため。

戦争前の生活から戦争へ向かい、戦時中の話になり、戦後へと話は続く。
戦時中の暮らしや戦後の差別など、小学生にはなかなか刺激の強い絵と物語だった。
後にいろいろと騒がれたりもしたが、作者の実体験を元にした物語として、小学校高学年という年齢で『はだしのゲン』読んだことは、今となっても良かったと思う。

で、小学校高学年は、マンガとアニメ、「八時だよ全員集合」「オレたちひょうきん族」そしてファミリーコンピューターに夢中だった。
よって、じつは本をほとんど読んでいない。
マンガは『きまぐれオレンジ☆ロード』が好きだった。鮎川まどかみたいな人と付き合いたいとか思ってた。
アニメは『銀河鉄道999』。こちらはこちらでメーテルみたいな姉がいたらなぁなどという妄想を抱いていた。
『宇宙戦艦ヤマト』でもなく『機動戦士ガンダム』でもなく、私は『銀河鉄道999』派だった。

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■中学校時代

●火浦功

中学生になり、再び本を読み出す。
中学校でできた友人からすすめられたのが火浦功さんの小説だ。
一番最初は『スターライト☆だんでぃ』。

注:中古本しかありません

「スターライト」シリーズと「未来放浪ガルディーン」シリーズで、小説を読んで笑うという経験をした。
火浦功さんが落語が好きなこともあり、文章にもいわゆる「間(ま)」がある。
お笑いで言う間だ。

話し言葉だけだと思っていた間を、文章で表しているのを読んで、すげぇって思った。
ただし、本編はすべて未完。
本編が進まないのに外伝がどんどん出てくるという悪い癖がある。

ちなみにこの記事を書くために調べたら未来放浪ガルディーンシリーズの3巻『大豪快』が4,700円ほどの値段で売られていた。すげぇな。持ってるぞ。
ま、せどり屋さんがつけた値段だからね。
ブックオフオンラインでは、品切れ中ではあったけど、108円だった。
店舗にあってもこの値段だろう。
ま、運良く108円で買えたら、ネットで4,700円で売ってみるのもいいかもしれないが、おそらく買い手はつかない。

さらに火浦功情報として言っておくと、この火浦功は実在しなかった説がある。
『ニワトリはいつもハダシ』のあとがきで当時の編集者が書いた文章が発端だが、これ、この文章そのものが狙ったものであって、火浦功さんは実在する。
気になった方は検索。
「火浦功 実在」でいくらでも出てくる。

●H・P・ラヴクラフト

同時にハマったのがH・P・ラヴクラフト。
東京創元文庫から出ているから出ている『ラヴクラフト全集(全7巻・別巻上下)』。
すっかり有名になってしまったクトゥルー神話の原型を書いた作家だ。

楽天ブックスはこちら – ラヴクラフト全集(1) (創元推理文庫) [ ハワード・フィリップス・ラヴクラフト ]

クトゥルー神話は、コズミック・ホラーとも言われている。
後にオーガスト・ダーレスが体系化し、それを元に多くの作家が現代に至るまで物語を書いている。
クトゥルー神話の詳しい解説は検索してもらうことにする。
膨大なので、ここでは無理だ。新しくサイトを作らなきゃいけない。
っていうか、クトゥルー神話についてのサイトはいくつかあるので、そちらを探したほうが手っ取り早い。

ラブクラフト自身は、クトゥルー神話を体系化することなく、彼の頭の中にある世界を書いていただけだ。
物語は、訳文を読めばわかるが、とても読みにくい。
内容も、冷評されることも多く、中には酷評に近い評価もされる。

ラブクラフトよりも、体系化したオーガスト・ダーレスの功績のほうが大きいのかもしれないが、中学生の私にはラブクラフトの作品は、読み終わったあと、後ろを振り向くのが怖かった。
銀の鍵3部作が好きだな。

クトゥルー神話を扱った本でお気に入りなのは、国書刊行会の『ク・リトル・リトル神話集』。

楽天ブックスはこちら – ク・リトル・リトル神話集 [ ハワード・フィリップス・ラヴクラフト ]

荒俣宏さんが編纂し、序文も書いている。
私が中学生の時に夢中になった理由が、納得できる言葉で書いていた。
また、掲載されている作品も、ラブクラフトはじめ、複数の作家の、しかも出来のいい作品ばかりだ。
この本にある作品はどれも好きな作品で、甲乙つけがたいが、読後怖かったのは「イグの呪い」「博物館の恐怖」だ。
「永劫より」「黄の印」「白蛆の襲来」「墳墓の末裔」も慣れていない人には難しいが、クトゥルー神話らしい作品だ。

と、まあ、中学生時代は他にもハマった作家さんやシリーズがある。
今回はここまでで、続きは次回。

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