私の読書の履歴書26 20代後半1

20代後半は、出会いと別れが多い時期だった。
自然と付き合い、自然に別れ、もう付き合うことはないだろうと思いながらも、どうしているかなと気になっていた人が亡くなったり、長年付き合ってきた友人が亡くなったりした。
1年間で結婚式に6回出席し、葬儀に5回参列した年もあった。
生きることってどういうことかってことを、考えずにいられない時期だったよ。

また、これは自分では理由がまったくわからないんだけど、私は数年に一度、本をまったく読まない1年がある。
読みたくないとか、読めないとかじゃなく、気がついたらこの一年、本読んでないなっておもいながら、けっきょくそのまま読まずに新しい年を迎えたりする。
特に忙しかったわけじゃないのに。

それがこの時期、1年ではなく2年以上、本を読んでいなかった。
何をしていたかっていうと、映画を観たり音楽を聴いたり、ゲームをやったり、一人で飲み歩いたり、1週間、それぞれ別の友達と会って飲んでたりしていた。

いま振り返れば、無駄な期間ではなかった。
それに、30代になるともっと長い期間、本から離れていたし。これはまあ、30代のときに入ったら話すけど。

そういう状態だったのに、小説の新人賞や公募にはしょっちゅう応募していた。
ネットにサイトを立ち上げて、そこに自分が書いた小説をあげたりもしていた。
結果はいま作家やってないってことを言えばわかってもらえるんだろうけど。

某各有名雑誌の新人賞には20代前半から30代前半まで毎年どこかに応募していた。
3回一次選考を突破したけど、二次選考を突破したことはない。っていう程度の実力だ。
ずいぶん後になってから、当時応募した作品を読み直したんだけど、恥ずかしいだけだったよ。若かったな自分も。

というわけで、あまり記憶に残っていない20代後半の読書の履歴書の1回目に入ろうか。

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Contents

●嗤う伊右衛門

本屋に平積みされていて、京極夏彦さんが百鬼夜行シリーズ以外の本を出したんだと中を確認もせずに買った本。
後の「巷説百物語」シリーズに登場する御行の又市が登場するんだよ。
東海道四谷怪談をリメイクしたものなんだけど、まあ、御行の又市が出てくることやお岩さんが毒をもられたのではなく病気だという設定など、原作とは別物なんだよね。

なんていうんだろ、日本的な哀しい話なんだよ。
伊右衛門も岩も真面目な人でね。しかも不器用なもんだから、自分の気持の伝え方がわからないというか、やっぱりこう不器用としか言えないんだけどさ。
それに加えて、不運が重なり、二人の周りの人たちの思いに流されたりして、最後がほんと哀しいんだよ。
悲しいじゃなく哀しいんだよね。
それを見守る又市がまた、巷説百物語シリーズ同様、人の業や哀しみを背負っているっていうか。

京極夏彦さんの作品って、現代の人の中にある言葉にしにくいものを物語を使って描いて、それを憑物落としや又市たちのやり方で祓ってくれるものが多いんだよ。
だから、読んでるこっちも身が軽くなった感覚になることがあるんだ。

あ、でもこの『嗤う伊右衛門』は違うよ。
哀しい。

 

 

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●衝突する宇宙

え~っと、最初に言っとくけど、奇書とか疑似科学とかオカルトとか好きならいいけど、それ以外の人にはおすすめしない。
試しに読んでみるかっていう値段でもないし。しかも時は細かいし、本は厚くて重い。
私は好きなんだけどね。

でまあ、どういう本なのかっていうと、神話や伝説などに描かれている天変地異が本当に会ったことを前提に、各地の古文書を紐解いて著者の考えにまとめた本なんだよ。

紀元前に地球が自転を止めたとか、西から太陽がのぼっていた時があったとか、ポールシフトが起きたとかそういう現象が、当時、紀元前に木星から生まれた彗星によってもたらされたっていう説を展開している。
しかもその彗星は後に金星になったって言ってるんだよね。

紀元前1500年に接近したときは出エジプト記に書かれていることを起こしたんだよ。

そしてこの彗星には大量の虫がいて、地球に近づいたときにその大量の虫を地球にばらまいたとも。

本屋にあるなら立ち読みしてみ。図書館にあるなら借りてみ。
中身を確認しないで買うことはしないように。
買って後悔されたら、なんか申し訳ないから。

もう一度言っとくけど、私はおもしろく読んだよ。こういう本はなかなかお目にかかれない。
そういえば、虫ってある時代に突然現れたらしいって話、聞いたことあるんだけどな。ほんとかな。
っていうか、人間もある日突然、地球上に現れたって話もあるんだけどね。

進化論が正しいって思ってる人には受け入れがたい話だけどね。

 

 

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衝突する宇宙は、なぜかふと思い出した。
この本を最後まで読み通す人って、なかなかいないと思うし、そもそもおすすめしない。
私が読んだ本の履歴書だからね。
ほんと、買う前に何らかの方法で中を確かめるように。

というわけで、今回はここまで。

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