私の読書の履歴書28 20代後半3

2018年10月11日

20代後半って、小説・新書・専門書のいずれもあまり読んでなかった時期だったけど、前回の記事を書きながら、漫画はけっこう読んでたなぁってことを思い出したんだよね。

なんとなく買った月刊アフタヌーンにはまったのがきっかけだったのかもしれない。
今は書店に行ってたまに週刊誌、月刊誌を立ち読みしても、あの頃みたいに読みたいって思えるマンガが見つからないんだよね。
あの頃と比べて何が違うんだろうと思ったんだけど、規制、自粛かな。
描けない、書けない絵や言葉や表現が増えたね、ずいぶんと。
いったい表現の自由ってなんだろう?
もちろん、よくないものを助長する表現はダメだけどさ。

こういう時代だからこそ、かつてのこういう時代に書かれた小説を読んだり、うまくやってる小説読むのもいいかもしれないな。ジョージ・オーウェル『動物農場』とかアンソニー・バージェス『時計じかけのオレンジ』とか。
ジョージ・オーウェル『1984』はあからさまだけどね。オルダス・ハクスリー『すばらしい新世界』もある。
私はまだ未読なんだけど、昨年刊行されたブアレム サンサル『2084 世界の終わり』も読みたいな。
ま、これらはディストピア小説って呼ばれてるんだけどね。
日本にもあるよ。今ぱっと思いつくのは伊藤計劃さんの『ハーモニー』。これはよかった、おもしろかった。
ラストの「私たち」って、いったい誰のセリフなんだろうね。

さて、そろそろ本題に入ろう。

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Contents

●MONSTER

のっけから言うのもなんだけど、ラストをどう取るかで、この作品を読んだ人の印象が違うんだよね。
今読み返してもおもしろいマンガ。

浦沢直樹さんといえばパイナップルARMY、YAWARA!、MASTERキートン、Happy!、MONSTER、20世紀少年 / 21世紀少年、PLUTO、BILLY BAT、MASTERキートン Reマスター、夢印-MUJIRUSHI-と好き好きはあれ、おもしろいマンガしか書いてない人だよね。

私は『MASTERキートン』と『MONSTER』が好きなんだよ。
運動嫌いだから『YAWARA!』は読んだことないけど。アニメは見たり見なかったりだったな。

で、この『MONSTER』、天才外科医のテンマがあることをきっかけに転落し、そして子供のときに助けたことがあるヨハンという殺人鬼を追う話なんだ。
舞台はドイツとチェコ、ドイツがベルリンの壁崩壊の前後の時代。
テンマを追うルンゲ警部、ヨハンを追うテンマ、常に誰よりも前を行くヨハン。
ヨハンを追うために立ち寄る所で出会う人との物語は、ときに暖かくて、ときに悲しい。哀しみや孤独、不安と過去への恐怖。人間模様。

連載終了後には『ANOTHER MONSTER-The investigative report-』という、原作では明かされなかった謎を明かす小説が、完全版が刊行された2008年には、原作で重要なアイテムだった絵本『なまえのないかいぶつ』が出てる。
どちらも浦沢直樹さんが書いたものだけど『なまえのないかいぶつ』は架空の絵本であるんだけど浦沢直樹さんが訳した形で出てるんだよ。

一気読みできる。
っていうか、やめられないとまらない。
そしてラストに辿り着いた時のあの気持ち。
言えないけど、あの気持ち。
いやぁ~、あの気持ち。
読んだ人ならわかってもらえると思うんだけどな、あの気持ち。

だいぶ間あいたから、そろそろもう一回読もうかな。

で、楽天ブックスでは取扱いなし。というわけで、Amazonのリンクを貼っておく。
通常版

完全版

『ANOTHER MONSTER-The investigative report-』

『なまえのないかいぶつ』は、Amazonで買うと高いので、Amazon以外で古本を購入することを強くおすすめするよ。

●寄生獣

これはね、読んでないなら読んでおこう。いや、読むべきだ。っていうか、読んでマジで。

ある日、空から無数の寄生生物が降り注ぐ。
寄生生物は人間の鼻や耳、口から入り込み脳に侵入して、頭部だけ侵入した人間と置き換わり、生きていく。
頭部は様々な形に変形可能で、戦闘時には刃物になって相手を切る。

主人公の泉新一は、体内に入り込んだ寄生生物が脳に到達する前に気づくが、右腕だけ乗っ取られる。
右腕に住み着いた寄生生物を「ミギー」と名付け、バレそうになりながらも日々を過ごす。
しかし、他にもミギーの仲間がいること、そしてその仲間たちは人間に寄生することが最優先であり、人間の命のことはまったく考えていないことを知る。

人、寄生生物、そして両者の中間にいる新一とミギー。
人とは、外部からの侵入者が現れたときに人はどうするのか、差別、存在するとはなにかと、込められたテーマは深くて重いんだけど、これがまたストーリーがおもしろくて、止まんないんだよね。
さっきはなした『MONSTER』と同じく、この本も一気読みしてしまう。
ラストもほんと考えさせられた。っていうか、数日間考え続けてたなぁ。

 

 

Amazonはこちら – 新装版 寄生獣(1) (KCデラックス)

というわけで、今回はここまで。
『MONSTER』も『寄生獣』もおもしろんだよ、とても、すごく、ほんとにおもしろんだよ。
そして、深い。
こういうマンガ、最近あるのかな?30歳過ぎてから読んだマンガで、記憶にある漫画ってほんとに『銀魂』だけだから。
っていうか『銀魂』以外、マンガ読んでないから。
もしこういうのどう?ってのがあったら教えてほしい。

次回もマンガ。次回でマンガ終わらせて小説に移りたい。

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