私の読書の履歴書21 20代前半8

私は基本インドア派で、運動は物心ついたときにはすでに好きじゃななかった。苦手だから好きじゃないのではなく、やる前から好きじゃない、やりたくないんだよ。
それは今まで一貫して変わってない。
でも、外で空を眺めるのは朝昼夜問わず好きだし、ふと半日ほどで行けるところに行ってきたりもする。
完全にインドア派ではなくて、基本インドア派なんだ。

それでも、紀行文を読むと「ああ、旅行もしてないなぁ」くらいは思うわけだ。
読んだ本は海外へ行って、なかなかハードな旅行をしたりしてるんだけど、読後に自分が思っているのは国内旅行なんだけどね。
海外にも行きたいけど、ツアーじゃ嫌で、けど英語もスペイン語も中国語もフランス語も、とにかく日本語以外はまったく話せない。翻訳機とか翻訳アプリがあるから、もしかしたらなんとかなるかもしれないけど、あれって、ほんと大丈夫なのかな?重要な場面で、言っちゃいけない言葉に翻訳したりとかしないのかな?
客観的にみればおもしろいけど、自分に起きたらなかなかな場面になると思うんだけど。

古代文明の遺跡とか、実際に自分の目で見たいんだよね。
シュメール文明とかマヤ・インカ文明の遺跡は見たいなぁ。
オーロラも一度は見てみたい。

って、旅に慣れていない私みたいなのが、ふらっと行ったりすると、いろいろあるんだろうって思うんだよ。
その色々に出くわすのも乗り越えるのも面倒だなぁって思っているうちは、けっきょくこのまま行くことはないんだろうね。

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Contents

●深夜特急

沢木耕太郎さんが26歳のときにふとインドのデリーからイギリスのロンドンまで、乗合いバスで行こうと思い、旅に出た時の実話。
インドまで直行するつもりだったんだけど、途中下車可能な切符だったこともあり、ふらっと香港に立ち寄る。けど、長居をしてしまう。
ここから著者の1年以上にわたる旅が始まる。

ガイドブックに載ってるような旅じゃない。
バックパッカーとして、その国、その地の日常や、熱気や、泥臭さ、人々との出会いと分かれ、偶然、これらが、沢木耕太郎さんの絶妙な描写で、頭に絵だけではなく、熱もにおいも浮かんでくるんだよ。
旅好きのバイブルって言われてるのは、読めば納得。
こういうときにどうすればいいかっていうのも、読んで知ることもできる。
もちろん、そうするのが正解じゃないときだってあるんだけど、何をするかじゃなく、どう考えるかってことを知ることができるんだよ。

文庫で全6冊だけど、1巻読んだらおもしろくてすぐ2巻。あとは刊行待ちで、出たら即買いしてた。
基本インドア派で、海外に行くのに躊躇してる私がこれを読んだときは「もしかしたらなんとかなるんじゃない?行こうかな?とりあえずパスポート取ろうかな。1年くらい日本離れても、まあその時はその時でなんとかなるでしょ」って、旅への誘惑がふつふつからグツグツとなっていくのを感じたよ。

言葉がわからなくても、どうやってその国で最低限の言葉を覚えるかってことも書いてるし。
なんかもう、ほんと旅に出ようかなっ!って思った本。
思っただけだったけど。

もしあなたがまだ20代以下なんだったら今のうちに読んどくことをおすすめするよ。
結婚しちゃったらなかなか1年以上1人で旅行なんてできないし、仕事でそれなりの位置に就いちゃってもできないし。
まあ、私みたいに、旅した気分だけでも味わえる。

 

 

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●SFハンドブック・ミステリハンドブック・東西ミステリベスト100

この3冊にはずいぶん助けられた。
その道の専門家が選んだランキングや、読んでおくべき作品、作家が載っている本だった。
過去形で話しているのは、2冊とも現在はタイトルを変えているからなんだけどね。

SF、ミステリ、それぞれでなにか読みたいんだけど、何を読もうか迷っていたときは、この本の中から選んでいた。
3冊のランキングの1位から10位までは全部読んだよ。
だってプロが選んだベスト10なんだから、とりあえず読んでおくべき作品でしょ。
もちろん、読んでもわけわかんないのあった。SFで。

SFって、その作品世界での出来事を書いているわけだ。
予備知識がないとわからない用語があったりして、それがなんなのか説明がなくて、とりあえず先に進むみたいなときがあって、それが「あれ、この世界についていけてない」って思うときなんだよね。

今は検索があるからいいんだけど、私が読んだときは、携帯もまだなかったりっていうか、携帯で検索するってことがわかってなかったし。

だから、今、SFを読む人は恵まれてるんだよ、ほんと。

『ニューロマンサー』読んだときも、好きな世界なんだけど、SF用語なのか『ニューロマンサー』でしか使わない表現なのかの区別もつかないまま、最後まで読んだよ。でも後ろ3分の1は、読み終わるまでいっきに読んだなぁ。
わかったらもっとおもしろいんだろうけど、いまいちわかんなくてもおもしろかった。
今読んだら、あのときよりだいぶわかるんだろうな。読み返そうかな。

『火星年代記』『夏への扉』『ハイペリオン』『星を継ぐもの』『アンドロイドは電気羊の夢を見るか』『地球の長い午後』『幼年期の終わり』って、きりがないな。
どれもおもしろかったんだよ、ほんと。

ミステリはまあ、有名どころが多いからね。アガサ・クリスティーにエラリー・クイーン、ヴァン・ダイン、ジョン・ディクスン・カー。
『そして誰もいなくなった』『Yの悲劇』『長いお別れ』『幻の女』『アクロイド殺し』『薔薇の名前』『羊たちの沈黙』『オリエント急行殺人事件』などなどなどなど、ロアルド・ダールを知ったのもハンドブックを読んだからだった。

文春文庫の東西ミステリベスト100になると、タイトル通り、日本のミステリのランキングもある。
こちらも有名どころが多いけど、読んだことがない作家さん、作品は確実にあるから、読んでみるのもいいよ。

 

 

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ミステリハンドブックは現在、海外ミステリハンドブックになって、ランキングではなくキーワードでおすすめしている。

 

 

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東西ミステリベスト100は、私が読んだものより充実して、かつての倍の厚さになってるんだなぁ。

 

 

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こういうハンドブックは、ほんと便利。
何読むかわかんないときに、とりあえずこの中から選べばいいから。
もちろん、本屋に行って、冒頭の数ページを立ち読みすることは欠かさない。

ただし注意点としては、プロが選んだんだから、素人には良さがわからないものあるってことかな。
今回紹介したハンドブック以外にも、探せばいろいろ出てるから、そっちを参考にしてもおもしろいよ。個人が編んだハンドブックやベスト本もあるし。

というわけで、今回はここまで。また次回。

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