2時間でおさらいできる日本史 近・現代史篇 – 著/石黒拡親

2018年4月19日

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■学校の授業で省略されたりすっとばされた時代がスッキリする

 今の学校の歴史の授業はどうかわからないが、私が小・中学生、高校生の時は近・現代史は教科書のダイジェスト的な授業で終わったり「各自読んでおくように」という一言で終わったりしていた。
 教えることが多くて、近・現代史の授業をやる時間がなかったのかもしれない。だとしたら、私の担任、教科担任はことごとく時間配分に失敗していたことになる。

 もともと歴史はあまり好きじゃなかった。
 年号と出来事を丸暗記する。その次代の特色や文化、政治、人名も丸暗記する。歴史とは暗記力を鍛える教科なんだと、本気で思ってた。

 歴史を知り今に活かす大切さ、現在の世界の中の日本という視点で見ることや、考えること。
 それよりも、単純に、私が生まれるおよそ100年前から今にいたるまで、日本は何をやってきたのか。日本人からの視点ではなく、俯瞰してみたかった。

 そこで読んだのが『2時間でおさらいできる日本史』だったし、この『2時間でおさらいできる日本史 近・現代史篇』だ。
 このシリーズは、年号を無視している。各章のはじめに、最重要な年号と出来事が5項目くらい書いているだけだ。
 それよりも、歴史の流れを知ることを重点においている。

 受験生だったら、このシリーズを一通り読むことで、受験勉強も頭に入りやすくなるだろう。
 社会人だったら、歴史を学び直したいけど、年号がなぁって言わなくてもいいうえに、歴史を一通りおさらいできる。
 ちなみに戦国時代篇もあるが、私はこの2冊でいい。

■目次

はじめに
第1章 開国と江戸幕府の滅亡
第2章 明治維新
第3章 自由民権運動
第4章 日清・日露戦争
第5章 明治時代の経済と社会
第6章 第一次世界大戦とワシントン体制
第7章 政党内閣と恐慌
第8章 中国侵略と太平洋戦争
第9章 占領と戦後改革
第10章 現代の日本

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■戦後を知るために、戦前から知る

 戦後の日本がどういう過程で今に至っているかは、なんとなく知ってるけど、戦前・戦中の日本がどういう状況で、何をしていたかは、あまりわかっていないってのが正直なところだった。
 なぜ日本が原爆を落とされたのか?
 なぜ日本が2度の大戦に参加したのか?
 大戦以前の日本はどういう国だったのか?
 戦中、日本は何をしていたのか?
 終戦直後の日本はどういう状況だったのか?
 なぜ日本には米軍基地がこんなにあるのか?
 なぜ沖縄は基地問題で揺れ続けているのか?

 そう、そもそもなぜ?を聞かれると、答えられなかった。恥ずかしながら。
 で、ついでだから日本史をおさらいしようと思い、このシリーズを読んだ。

 この『2時間でおさらいできる日本史』『2時間でおさらいできる日本史 近・現代史篇』を読んだ後に、新書の『知ってはいけない』『ナチスの手口と「緊急事態条項」』『愛と暴力の戦後とその後』を読み、文庫の『日本のいちばん長い日』『東京プリズン』
を読んだ。
 何のためにと聞かれたら、知りたかったからとしか言えないが、これらを読むことで、上に挙げた疑問は解消した。
 知らないままだったら、無知な右寄りの人になるところだったと思うと、危なかったよ。右寄りの人が無知だって言ってるんじゃないよ。無知な右寄りになるところだったって言ってるんだよ。
 で、さらに、一通り歴史をおさらいして、ますます今まで通り、私は右でも左でもないままでいようと思った。

 日本周辺のアジア諸国ではもちろん、欧米諸国でも、日本人が嫌いだったり、日本に良いイメージがない人は、大勢いるだろうなと思う。
 むしろ、日本が好きだと言ってくれている、日本以外の国々の方には感謝する。
 だってさぁ、いろんな国に、けっこうなことしてきたよ、日本は。
 どんなことをしたか歴史を知ってる人はしってる。知らないなら、このシリーズを読んで知っておこう。

 それと、本書とは関係ないけど、近・現代史、戦後から現在までの流れを知ることで、思ったことがある。
 教育と教科書、メディアって怖ぇ~なぁ~ってね。
 ふと、そう思ったよ。

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