私の読書の履歴書34 40代

はたしてあれが何歳のときだったのかすら思い出せないんだけど、逆算するとたぶん43歳くらいだった、ある日、私は気がついたら、ほとんど何もないような状態の自分がいることに気づいた。

本を読むことにも集中できず、以前の夢だった小説を書こうにも何も浮かばず、ただ、いまの職場の人たちの心遣いで、仕事だけは続けていた。

自分を取り戻そうと思ったのが、2014年。
思ったのはいいけど、どうすればいいのかさっぱり見当がつかなかったので、これはまず本を読むところから始めよう。
というわけで、本屋に行って棚を眺めていて買ったのがサミュエル・スマイルズの『自助論』

自己啓発本は自分には必要ないと思って、一冊も読んだことなかったんだけど、このときばかりはこれを読もうと思ったんだよ。
当たり前のことが書いてるんだ。
ほんと、当たり前のことが。
でも、知ってるわかってるって多くの人は思うし言うんだけど、じゃあできてるの?ってなると、う~ん……ってなるんじゃないかな。

自己啓発本って、スピリチュアルとかが混じってくると違うんだけど、そうじゃない純粋な自己啓発本って、誰もが知ってる、聞いたことがあることが書いてあるんだよ。じゃあなぜ読むのかっていうと、忘れていたり、やってなかったり、不誠実になってる「今の自分を」確認して、ちゃんとしなきゃって前に進むために必要なんだ。
だから、あれこれいろんな本を読む必要はない。
成功者だけが知ってる秘密の方法なんてない。

やりたいことがあるのなら、やるために必要なことを調べて、あきらめずに、自分で自分に嘘をつかずに、すべてに誠実に取り組むんだ。
それだけだ。

そしてもうひとつ、確かめておきたいことがあって、それは「自分はこの人生をどう生きるのか」ってことを決めて、その生き方を通すことだ。

って言ってるけど、こう確信できるまでに、数十冊の自己啓発本を読んだんだけどね。
でもこれだけの本を読んでわかったのは、古くていまでも生き残ってる本を読むべきだってこと。

『自助論』は福沢諭吉の『学問ノススメ』と同時期に刊行されて、当時大ベストセラーになり、今でも読みつがれている。
他に挙げるとすれば『道は開ける』『人を動かす』『思考は現実化する』かな。
『世界最強の商人』『その後の世界最強の商人』は商人にならない人にも読んでほしい本。薄い本だけど、まともちゃんと読むと『世界最強の商人』は10ヶ月、『その後の世界最強の商人』は10週間かかる。けど、本に書いてあるとおりに、この時間を書けて読んでほしい。
『バビロンの大金持ち』も読んだほうがいい。
ごめん、もう一冊。『自分が信じていることを疑う勇気』もぜひとも読んでほしい。

そして、見えない世界について書かれた本も数十冊読んだ。
見えない世界を信じない人は、この手の本は読まないってのはわかってるから。
これも『ザ・シークレット』以降の本は9割以上は読まなくていい。

「願うだけで叶う」「お参りするだけで叶う」「パワースポットに行くだけで人生が変わる」「持ってるだけで幸せになれる」「自分の欲望を否定したり押し殺しちゃダメ」
これらのようなことを書いている本は、一切読まなくていい。
これらが本当だったら、日本中が幸せになってるはずだ。
って言うと、やり方があるとか、やり方や考え方が違うとかって言い出す人がいるんだけど、それならそれでいいから、私には構わないで、ご自身の人生を歩んでくれればいい。

「自分の欲望を否定したり押し殺しちゃダメ」って言うのだけは、私は否定する。自分勝手に生きていい人生、良い人間になれるはずがない。

「願うだけで叶う」「お参りするだけで叶う」「パワースポットに行くだけで人生が変わる」「持ってるだけで幸せになれる」これらは、まず最初に必要だけれど、やはり「行動しなきゃ何も変わらない」のが普通だ。当然だ。当たり前だ。

「お守り」って言葉のとおり、守ってくれるんであって、叶えてくれるものじゃない。
パワーストーンだって、護符だって、その他のラッキーアイテム、絵も梵字も、世の中に出回ってるものすべて、あなたを「守ってくれる」か「きっかけを与えてくれる」か「導いてくれる」ものだ。
これか!って思って行動しなきゃ意味がない。努力しなけりゃ上達しない。

真言や祝詞を唱えても、おまじないをしても、厄払いをしても、自分自身の気の持ちようや言動が変わらなければ、やっぱり何も変わらない。

なんだってそうだけど、自分が変わらなきゃ、自分で動かなきゃ、何にも変わらないんだよ。
当たる確率は、空から落ちてくる隕石にぶつかるよりも低い宝くじの1等当選だって、じゃあ買わないって、買わなかった人には当たらないんだよ。買わなきゃ当たらない。

でも、宝くじと違って、人生ってのは、見えない世界のことを知って、その世界に背くことなく歯向かうことなく、ルールに従って、そのうえで多くの自己啓発本に共通して書いてることを自身の行動にあてはめてやっていけば、なんであれ成功する確率はあがっていくものなんだ。

見えない世界について書かれた本で私がおすすめするのは、『金運革命CDブック』『いかにして超感覚的世界の認識を獲得するか』『人生が上手くいく 直感力の高め方』『富と成功をもたらす7つの法則』『ずっとやりたかったことを、やりなさい。』と、これらだけでいいんじゃないかな。

自己啓発本も見えない世界の本も、上に挙げた本を読めば、あとはタイトルや目次を見ただけで、読む価値がある本かどうかの見分けはつくはずだ。
他にも読みたいと思うならちゃんと見分けて読むべき。

で、この後、私は小説、新書、単行本、四六判と、以前のように興味があるもの、おもしろそうなものはジャンルにこだわらないで読んでいる。
このブログに書いている本の感想は、40歳を過ぎてから読んだ本ばかり。

つまり、私の読書の履歴書の40歳以降はすでに話してるんだ。
これからも読み終わった本の感想を話していく。