これ、いったいどうやったら売れるんですか？ – 永井孝尚

2018年2月20日2018年3月7日

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■マーケティングは売る以外にも応用できる

　2009年に出版された「もしドラ」(『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』)は、企業の組織管理について書いているピーター・F・ドラッカーの『マネジメント』を、タイトルそのままで高校野球の女子マネージャーが応用したらという仮定で書いている本で、表紙のアニメ画とやたら長いタイトルと、ドラッカーと女子マネージャーという組み合わせもあって、ヒットした。
　これは、この本で言うところの「ブルーオーシャン戦略」と「キャズム理論」、加えて「プロモーション戦略」が上手くいたから売れたのだと思っているんだけど、プロ・専門家ではないので違っていたらご指摘下さい。

　目次を見ればわかるんだけど、マーケティングの基礎を、わかりやすい例をつかって解説しているのがこの『これ、いったいどうやったら売れるんですか？』　だ。ちなみに私は、内容よりもジャケ買いした。広末涼子さんのこの視線、この表情、このポーズが、なんというかまあ、いいなぁって思ったわけだ。
　表紙の広末涼子さんを見た後に、タイトル見て、ちょうど他にもマーケティングの未読の本が２冊あったので、まとめ読みしようと思い、購入。

　文庫本と新書は、ここ数年、こういうやり方が増えた。内容はまったく変わっていなくて、表紙を替える。または、本の表紙の上に新しい表紙をつける。
　本にとっては、内容はさることながら、表紙も重要なパーツだ。

　マーケティングについては、ストーリー戦略だとか感動集客だとか、他にもいろいろとある。けれど、なんでもそうだが、何はともあれ基本知識がないことには、話にならない。

　著者の永井孝尚さんは、これまた大ヒットした『100円のコーラを1000円で売る方法』を書いた方。

　思うんだけど、マーケティングって、売ること以外にも、利益を追求しない団体や組織、個人の活動にも必要な知識だよね。官公庁の広報見ると、もっと他にやり方があるんじゃないかと思うことがあるんだけど、マーケティングを学べば、もっと上手くできるんじゃないかなと、失礼を承知でここに書いてみた。

■目次

はじめに
第１章　腕時計をする人は少ないのになぜ腕時計のＣＭは増えているのか？-「バリュープロポジション」と「ブルーオーシャン戦略」
第２章　人はベンツを買った後どうしてベンツの広告を見てしまうのかー「顧客」と「ブランド」
第３章　雪の北海道でマンゴーを育てる？-「商品戦略」と「顧客開発」
第４章　あの行列のプリン屋が赤字の理由ー「価格戦略」
第５章　なぜセブンの隣にセブンがあるのか？-「チャネル戦略」と「ランチェスター戦略」
第６章　女性の太った財布には、何が入っているのかー「プロモーション戦略」と「マーケティングミックス（４ｐ）」
第７章　きゃりーぱみゅぱみゅは、なぜブレイクしたのか？-「イノベーター理論」と「キャズム理論」
第８章　古本屋がふつうの本屋より儲かる理由ー「マイケル・ポーターの５つの力」と「競争戦略」
参考文献

■SNSでの情報発信にも、もちろん応用できる

　Twitter、Instagram、Facebook、LINE(LINE＠)等のSNSで、情報発信したい人、してるけど上手くいっていない人も、マーケティングを知っておくと、応用できることはある。
　第４章と第５章以外は、理解して、考え、やってみるべきだ。
　わかったことを言ってるけど、見る人が見れば、読む人が読めばわかる通り、このブログも、私のTwitterも、まだまだだ。できていないところも多々ある(２０１８年２月１９日時点でこのブログは、この記事を含めて３記事しかないし)。っていうことをわかっていて、試行錯誤しているだけ、知らない人よりも一歩、いや半歩は先を行っているはずだ。

　もちろん、マーケティングを知っているだけでは駄目で、各SNSの特徴や使い方も理解できていなければいけない。とはいえ、SNSは正しいやり方を覚えれば、誰でも自分がやりたいことや好きなことでチャンスをつかむ可能性が上がる。
　あきらめないことと、継続すること。ただただやるのではなく、考えて、改善しながら続けること。
　SNSに限ったことじゃないけどね。

　新書は知りたいことの基本を教えてくれる。
　興味を持ったことについての入り口的な役目を果たしている。
　最初から分厚い本や高い本を買わずに、新書で基本、初歩、基礎を学んでから、より深いことを書いている本に進むのもいいんじゃないかな。

　というわけで、マーケティングに興味がある、とりあえず知っておきたいのなら、この本から入ってみたらいい。