経済は感情で動く はじめての行動経済学 – 著/マッテオ・モッテルリーニ 訳/泉 典子

2018年3月7日

Contents

■あなたはモノやサービスを、買っているのではなく、買わされているのだとしたら?■

「行動経済学」という言葉が一般的に知られるようになったのは、ここ数年のこと。きっかけとなった本は数冊ありますが、この『経済は感情で動く』も、その中の一冊。

 人間の行動、その判断と選択に、心理学の視点から光を当てると、いかにも人間らしい、合理性とは真逆の非合理な動きが見えてくる。
 あぁ、私もこうやって買わされてたんだなぁって思うものが、あれこれと浮かんだよ。

 経済に興味がなくても知っておきたい「売る側の仕掛け方と買わされる心理」。
 これであなたは「なんで、これ、買っちゃったんだろう……」って思うことがなくなるかも。

■目次

はじめに
パート1 日常のなかの非合理
1 頭はこう計算する/
2 矛盾した結論を出す
3 錯覚、罠、呪い
4 「先入観」という魔物
5 見方によっては得
6 どうして損ばかりしているのか
7 お金についての錯覚

パート2 自分自身を知れ
8 リスクの感じ方はこんなに違う
9 リスクとの駆け引き
10 知ってるつもり
11 経験がじゃまをする
12 投資の心理学
13 将来を読む

パート3 判断するのは感情か理性か
14 人が相手の損得ゲーム
15 怒れるニューロン
16 心を読むミラーゲーム
17 理性より感情がものを言う
18 人間的な、あまりに人間的なわれわれの脳
おしまいに

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■あなた自身が感じるモノの「価値」はすぐ変わる■

 1つ1,000円のモノが目の前にあるとしよう。それは、客観的には誰が見ても1,000円は1,000円だ。

 でも、誰かにとっては安いと感じる1,000円。
 そして、誰かにとっては高いと感じる1,000円。

 ものすごく単純な、乱暴な言い方だけど、これが人による価値観の違いのひとつ。

 昨日まで安いと思っていたものが、今日は高いと感じたり。お得だと思っていたものが、テレビやネットで、ほんとうにお得かどうかも調べないまま、何かの情報を見聞きしたり読んだりしたことで、高いと感じたり。

 日常の買い物、レストランでの食事、バーゲンセールでの行動、投資やビジネスでの判断、病院や選挙での選択、競馬や宝くじの買い方など、日頃、私達が合理的に、理性的に判断、決断して、モノを買ったり、投資をしたりしていると「思い込んでいる」ことが、じつに非合理で、感情・直観に支配されているか。

 また、この世の中には、このような、人の感情の動きを使って「安い」「必要だ」と思わせているものが、いかに多いのか。そして、私たちは、どれほど騙されているのか。

「悔しい」と思ったのはつかの間。
 これを知ったからには、書いていることをそのまま、または、応用して、自分自身のこれからの日常やビジネスに使っていけばいい。

 このCMは、どういう方法を取っているんだろう?
 この広告には、どういう仕掛けがあるんだろう?
 という視点で、世の中に溢れている広告を見るようになった。

 ほんと、自分の脳みそって、自分のものなのに、自分を騙すんですよね。危ない危ない。
 この本のおかげで、メディアを見るときの客観性を得ることができたよ。

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