サードドア – 著/アレックス・バナヤン 訳/大田黒奉之

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■成功者はどうやって最初のドアをこじ開けたのか

著者アレックス・バナヤンがこの『サードドア』を書くために、アメリカの著名人・有名人などいわゆる成功者に、最初のドアをどうやって開けたのかをインタビューしていく。
物語形式で書いてるんだけど、だからこそ、会話文は特にさらっと読み流してしまう可能性があるので注意したほうがいい。

ありがちな自己啓発本、成功法則本と違うのは、本人にインタビューした、事実が書いているところだ。
インタビューをまとめて、著者が自分の意見として書いている本は山ほどあるけど、インタビューの対象が(中には日本ではあまり有名でない人もいるけど)、知ってる、名前くらいは聞いたことがある、もしくは、ああ、あれを作った人かとか、あの会社の創業者かという人ばかりだ。

無名でコネもない、なかには学歴もキャリアもない人が、自分がどうしてもやりたいことを、どうやって始めたか、どう売り込んだかがわかる。
中には生物学者がいたりするので、幅は広い。

ちなみにこのサードドアというのは、著者が考えた言葉なんだよ。
ファーストドア、セカンドドア、そしてサードドアがどういうものなのかは、この本の冒頭に書いてあるから、立ち読みでもしてみたらいい。Amazonの中身検索だと、肝心のサードドアがなんなのか表示されないので、書店で立ち読みしてみたらいい。

それぞれの人の最初のステップの話を読むのも、じゅうぶんにおもしろいし、参考になるんだけど、この本の最初から最後までの著者の物語を、読後に最初から振り返って、そこにある成功するために必要なものを見つけるのもおもしろいよ。はっきりと言葉にされていないけど、物語の中に込められているから。

続きは目次のあとで。

■目次

1 行列から飛び出せ
2 裏道を駆ける
3 インサイドマンを探せ
4 ぬかるみを歩く
5 サードドアを開けて
謝辞

■書いてることをそのままやるんじゃなくて

帯の裏表紙部分には、ビル・ゲイツ、レディー・ガガ、スティーヴン・スピルバーグ、スティーブ・ウォズニアック、クインシー・ジョーンズの名前が並んでいるんだけど、実際はインタビューしていない人もいる。それらの人に関しては、著者が調べた、その人の最初の一歩が書いてるんだ。

夜にあふれている自己啓発本や成功法則本に書いてあることが、あながち嘘じゃないってことも、この本を読めばわかる。っていうか、自己啓発本や成功法則本を読んだけど、それをどうしたらいいのかわからない人には、実績として「あれはこういうことなのか」と理解が深まるよ。

もちろん、この手の本を読んだことがない人も、成功者が最初はどうしたのかってことがわかるから、おすすめだ。

ただし、この本に書いている、成功者がやったことをそのままやってもダメなときもあるだろう。当たり前なんだけどね。なぜなら、それはその人に合ったやり方で、運やタイミングもあったからだ。
大事なのは、この本に書いていることを理解した上で、さて自分だったらどうするかなって考えることだ。
そのときに、本に出てくる人のやり方を取り入れてみたらどうだろうと考えるのは有効だ。

私がこの手の本を読むたびに思うのは、
・考えることも大事だし、マーケティングも戦略も大事だ。これらを踏まえて、けっきょく失敗したら次を考えようっていう気持ちを持って、じっさいに行動に出なきゃ意味がない。時間を無駄にしてるだけ。
・どうしても、絶対に、これをやりたい、もしくは、これをやらなきゃっていう覚悟や決意、気持ち、情熱を持ち続けられるかどうか。あきらめたらそこで終わり、ゲームエンド。
っていう、この2つは、いまさら言うまでもないだろうけど、成功することの必要最低条件なんじゃないかな。

って言うと、自分にはそんなこと無理って、やる前に、っていうか考える前にやめちゃう人がいるけど、それはそれでもったいないんじゃないかなって思う。

歳を重ねると、守るべきものができたり、失敗が許されない状況ができたりする。
じゃあ、今の仕事、今の収入を確保しながら、やりたいことをやるための方法を模索するべきだ。
ネットを受け身にばかり使うんじゃなくて、攻めるために使うことを考えれば、今の世の中、使いみちは複数出てくるはずだ。

SNS、動画配信、ライブ配信、ブログ、その他さまざまなアプリもサイトもある。
自分がやりたいことをやるために、使えるサイトやアプリがないか検索してみるとか、SNSやブログに投稿するとか、動画を投稿したり、ライブ配信したり、考えれば使いみちはあるはずだ。

じっさいに店舗を構えなくても商品やサービスを売ることだってできる。

そして、その商品やサービス、創作したものをネットにあげたらそれで終わりじゃなく、どうしたら広められるか、いっそ、商品・サービス・創作したものをあげたSNSやブログやサイトやアプリを使う方法だってある。

って、そんな私も、1つの道だけを見ていたんだけどね、この本を読むまでは。
道は複数ある。
しかも、どれか1本の道だけを歩かなくても、2、3本の道を同時に歩くことだってできる。しかも、リスクを最小限に抑えて。

謙虚に素直に学ぶことを、考えることをやめちゃだめだ。
そして、あきらめちゃだめだ。

この本を読むことで、あなたのサードドアを見つけて、蹴ってでもこじ開けたら、その向こうには見たこともない、想像したこともないものや人や景色が待っているかもしれないよ。

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