千の顔をもつ英雄 2- ジョーゼフ・キャンベル

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■「英雄の旅」の構造を人生に活かす

『千の顔をもつ英雄』でジョーゼフ・キャンベルが解き明かしているのは、世界中の神話に描かれている英雄たちの生涯、旅、目的を果たすまでのストーリーの構造には共通点があるということだ。
「英雄の旅」と言ったり「ヒーローズ・ジャーニー」と言ったりする、この英雄の旅の構造は以下のようになっている。
1 冒険への誘い (冒険への拒絶)
2 助力者
3 最初の境界越え
4 試練
5 助力者
6 目的のものを手に入れる
7 帰路
8 最後の試練
9 英雄の死(または死に相当するもの)
10 復活
11 帰還

エンタメ系の小説作やハリウッド式の脚本術の本で多く取り上げられていることであり、本によって各項目の言葉の違いはあるが、流れは上記のようになっている。
この英雄の旅の構造を、創作ではなく、人生にも活かすことができるとジョーゼフ・キャンベルは言っている。
どう活かすかは具体的には本には書いていない。っていうか、この本を読んで神話の構造を理解して、あとはあなたの夢や目標、今取りかかっている仕事が、現在、神話の構造のどの部分にあてはまるか考えてみればいい。
あとは、11帰還=ゴールに向かって、どう進めばいいのかを考えて、日々、進むことだ。

私なりに考えたことをざっくりというと、
1冒険への誘い
何かを見たり聞いたりして興味をもつことや、誰かになにかに誘われる。新しい仕事をはじめる。仕事上で、上司、同僚、部下からなにか仕事を頼まれる。  ここで、できるかどうか悩んだり、できそうもないと思うのが、冒険への拒絶だ。

2助力者
まさに誰かが助けてくれたり助言や励ましをくれる。もしくは、ツールや道具をくれたり教えてもらったり貸してくれる。または、冒険を続けるため、続けたいと思うような出来事が起きたりする。

3最初の境界越え そのままだ。最初に訪れる壁や障害。不安や焦りも含まれる。

4試練 これは1度だけとは限らない。ギリシア神話でヘラクレスは12の試練を乗り越えた。

5 助力者 2と同様。2のときと同じ人、道具、ツール、出来事とは限らない。

6 目的のものを手に入れる 夢や目標が叶うことが決定したり、仕事で契約が取れたりする。しかし、ここで終わりではない。本当にその夢や目標が叶うまで、契約した仕事が終わるまでは、冒険は続く。

7 帰路 夢や目標が叶うことが決定した後も、そこへ向かうために行動をし続けている状態。仕事で契約が取れたあと、日常業務をしている状態。

8 最後の試練 夢や目標が叶う前や契約した仕事が冠水する前に、トラブルやクレームが起きる。

9 英雄の死(または死に相当するもの) 最大のピンチが訪れる。じっさいにあなたが死ぬわけではないのでご安心を。

10 復活 トラブルやクレームを乗り越える。

11 帰還 本当に夢や目標が叶った時。試合やコンテストで優勝したとか、受験に合格したとか、歌が有料で配信されたとか、本が出版されたとか。 契約した仕事が、完遂した時。

と、まあ、こんな感じだ。
最後まであきらめず、不安は打ち消し、障害は、どうすればよいのかを考えて乗り越える。 あとはまあ、誘惑にのらないことと、自分を甘やかさないこと。
って言ってしまえば、当たり前のことなんだけど、この当たり前ができないから、私も、そして多く人が、何かをあきらめて生きている。
私は今の夢と目標は、もうあきらめないと決めた。
この記事を書いているのは、決めてから半年。まだ試行錯誤、暗中模索だが、日々考えて続けている。
具体的にはナイショ。

さて、では最後にまとめ。

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■すでに古典的名著と言われているが、けっこう知らない人が多いのが神話の構造

この神話の構造。まあ、本書では英雄の旅と宇宙の始まりと終わりだけど、プロのクリエイターとか作家なら、たぶんほとんどの人が知ってると思うんだけど、どうなんだろう?
物語、ストーリーの創作に関わらない人は、知らない人が多いんじゃないかなっていうのは、私の個人的感想。

もしあなたが映画や小説が好きで、本書の帯を見て、自分には関係ないやと読まないのは、もったいない。
この本を読むことで、これから先、映画やドラマの見方が変わるし、小説やマンガの読み方が変わる。
あなた自身を客観視して、この神話の構造を応用すれば、人生にも活かすことができる。
この本を読んで、日本でも他の国でもいいから神話を読むと理解が深まる。 創作にも使える。

またいつか再読するであろう本があるというは、幸せだ。

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