私の本の選び方

 本が読みたいけど、何を読もうかと思った時、どうしてる?

 読書が習慣になっている人は、積ん読本があるはずなので、その中から選ぶだろう。読書が習慣になっていない人や、どれたまには本でも読んでみようかなという人は、ネットや書店でランキングを見たり、平積みされている本から選んだり、新刊本から選んだりするのが多いのではないだろうか?

 上記以外の方法で本を探す場合、どういう探し方があるか、私の本の探し方を書いておく。
 参考になれば幸いだ。

Contents

1 書店に行って、単行本コーナーと新書コーナーと文庫本のコーナーをすべて一通り見る

 棚に並んでいる本は、一歩離れて、左から右へ、上から下へ、タイトルだけをざっと見る。ただし、作家別に並べている書店ではやらない。私が好きなのは出版者別かジャンル別に並べている書店だ。作家別に並べていると、どうしても最初から欲しい本があるときでないと探すのに時間がかかる。
 出版者別、ジャンル別でも「あ」から始まる作家から並んでいるが、それとこれとは別なんだよね。何ていうのかな、すべての本を作家別に並べていると、出会う楽しみがなくなるんだよ。

 一通り見ながら、気になった本を手にとって、表紙と小見出し、目次、最初の数ページを読む。気に入ったり気になったら、その本をとりあえず手にしたまま、他のコーナーを見る。
 最終的に手にしている本をすべて買うか、予算オーバーしていたらその中から選ぶ。

2 ジャケ買い

 これもコーナーを一通り見ている時にやる。
 内容は気にしない。タイトルと表紙が絶妙に合っている装丁の本に出会う時がある。『その女アレックス』は1秒で買うことに決めた。

3 テレビやネットで気になったことに関する本

 ニュースやバラエティ番組を見て気になった事柄や人に関する本を買う。
『ナチスの「手口」と緊急事態条項』は、憲法改正のニュースを見て書店で憲法に関する本を探した時に見つけた。2018/3/7時点で記事にしていないが、同時に『知ってはいけない』『国家の暴走』も購入した。

 何かが気になって、とりあえずそれがどんなものなのか知りたいときは、新書が助かる。専門外の人にわかりやすく伝えるために書いている本がほとんどだから、まずは新書を読んで、さらに深く知りたくなったら単行本や四六版を探す。

4 読んだことがない作家、あまり読まないジャンル

 私は歴史と経済に関する本が苦手だ。苦手だからあまり読まない。たまに読むと読み慣れていない言葉や文章が出てくるから、読み終わるまでに時間がかかる。
 そうは言っても、歴史も経済も知っておいたほうがいいことはたくさんある。

 歴史に関しては、だいわ文庫の『2時間でおさらいできる~』シリーズは、細かいことは抜きにして、歴史の流れを知るにはとても役に立った。さらに知りたい事や人物、時代があれば、そのことを書いている本を探せばいい。このときはすでに読みたいものが決まっているので、迷うことはない。

 経済に関しては、経済の中でも何を知りたいかによって違うので、正直なんとも言えないが、これも新書か文庫を探せば、基本的なことを知る本は見つかるはずだ。

 小説で読んだことがない作家の本を読むのは、興味があれば別だが、そうでなけば思い切りや決心が必要だ。おもしろくなかったら、自分に合わなかったらなどという思いがよぎる。
 しかしそこで自分に負けちゃいけない。
 読み終わった結果、おもしろくなかったり、自分に合わなかったとしても、それはそれで一つの体験だ。人だってそうじゃないか。この人は自分と合いそうだと思って、話してみたらそうでもなかったとか、最初は話しにくい印象が強かったけど、いざ話してみたら、めちゃめちゃ話が合う人だったとかっていう経験はあると思う。
 本も同じだ。

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5 教科書で読んだ本、10年以上前に読んだけど内容をほとんど覚えていない本

 昔っから言われている言葉だけど、本ってのは、読んだほうがいい年代がある。また、10年後に読んだら印象が変わっていたり、「あれ?こんな本だったっけ?」って思ったり、10代で読んだときは何がおもしろいのか、さっぱりわからなかったのが、30後半過ぎてからなんとなく読み返したら、感動して泣いたりするものがある。

 教科書で読んだ作品も、例外ではない。
 夏目漱石の『こころ』を30歳過ぎてから読み直してみたらいい。宮沢賢治を20代後半に読み返したり、ドストエフスキーを20代、30代、40代でそれぞれ読み返してみるのもおもしろい。
 以前は見えなかったものが見えるようになっていたり、逆に若い時だったからこそ見えていたものもある。
 数十年、数百年生き残ってきた作品には、理由があるんだ。

6 例外:完結したシリーズものを1巻から読み直す

 すでに完結しているシリーズものなら、大人買いで最初から最後まで通して読めるが、リアルタイムで追いかけた場合、最初の方を忘れていることも多い。
 年に1冊とか、数年に1冊のペースでシリーズものが出ると、特に忘れていることは増える。

 私の小さな夢は、夢枕獏さんの「キマイラ」シリーズが完結したら、角川文庫版を大人買いして、一気に読むことだ。このシリーズ、第1巻の初版は1982年だ。
 月刊誌の連載だったので、年に1冊のペースだったが、その雑誌が季刊になり、2年か3年に1冊のペースになり、版元が新書→文庫の流れにしたり、単行本→新書→文庫にしたりで、文庫で最新刊を読めるまでずいぶん待たされた。
 挙句の果てに版元が廃業。現在は新書版が朝日新聞出版から、文庫版が角川文庫から刊行されている。2018/3/7時点でわかっているのは、3/24に『キマイラ19 明王変』が出版されるということ。
 完結を強く希望するが、だからといって今さら急がなくてもいい。とにかくちゃんと完結させてほしい。

7 過去も含め、何らかの賞を受賞した作品

 芥川賞、直木賞、山本周五郎賞、野間文芸新人賞、ヒューゴー賞、ネビュラ賞、太宰治賞など、新人賞以外で賞を受賞した作品を読む。
 もちろん、賞を取ったからと言って、自分に合う合わないはある。
 でも、賞を取っただけのものを含んでいる本だから、読み終わっても何がいいのかわからないってときは、自分ってまだまだだなぁって思うことにしている。

 個人的には山本周五郎賞と野間文芸新人賞、太宰治賞を受賞した作品に好きな作品が多い。
 ちょっとかっこつけて、SFジャンルのヒューゴー賞、ネビュラ賞も挙げたが、これはSFを読んでいる人にしか理解できない作品もあったりするので要注意。はじめて『ニューロマンサー』を読んだときには、日本語を読んでいたにもかかわらず、何が書いているのかさっぱりわからなかった。
 数冊続けてSFを読み、改めて読み直して、すげぇって思い、さらに解説をネットで検索して、さらにやっぱすげぇって思った記憶がある。

 と、まあ、読む本がないってときに、私ならどうしているかをざっと書いてみた。
 参考になったら幸いだ。

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