物を売るバカ – 川上徹也
■物語(ストーリー)で売るって言われたって、どうすりゃいい?
という人への基本的な考え方とヒントと例
ここ数年、新聞や雑誌に、記事だと思って読んでたら広告だったっていうものが増えた。TVやラジオのCMでも、物語風のものが増えた。
商品を売るのだけれど、商品そのものの特性やユニーク性ではなく、商品ができあがるまでに起きたことや、キーマンにスポットを当てて、物語として見せたり読ませたりしている。
それが上手くいって売上を伸ばした企業や商品が複数あるからだ。
そもそも物語とは、昔話といい、某有名テレビ番組(情◯大陸やプロ◯ェッショナル)、小説に映画と、人が好きなものだ。そこに感動や情熱、思い入れ、個性などがあれば、共感する人がいる。みんながみんなではないけれど、必ず共感する人がいる。
そして、共感した人が、広告としての物語を読んで、購入に至る。
別に作家のように上手な文章でなくていい。映像のプロのような技術もいらない。むしろ、素人っぽさが好印象を与えることも多い。
ネットショップだってそうだ。むしろ、ネットショップこそ、物語を使った広告が多いのではないだろうか。縦に長いページには、物語とお客様の声が並んでいる。最近はYouTube等に動画をアップして、サイト上で見せているものも増えた。
でも、物語と言われても、何をどう物語ればいいって言うんだ?
と、思うのは、まっとうな疑問だ。
で、この本『物を売るバカ』の登場。
どんな物語があり、それはどう作られたのか。いくつもの例をあげて、解説している。
とりあえず、目次を見てみよう。
■目次
はじめに
第1章 スーパーより高い野菜が通販で売れる謎ー人は物だけを買っているのではない
第2章 なぜこの「もやし」が買いたくなるのか?-どこにでもある商品でも物語は作れる
第3章 「奇跡のリンゴ」が映画になった理由ー人類共通の感動のツボとは?
第4章 小さなオフィス機器販売会社がモテる理由ー価値を「見える化」する3本の矢
第5章 同じ新幹線の車内販売で4倍売れる秘訣ーお客さんと相思相愛になるラブストーリー戦略
第6章 結局すべては「人」なんだ、という法則ー人は人の思いに共感する。共感すると買いたくなる
おわりに
参考図書・サイト
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■物語ではあるけれど、小説や映画やドラマではない。
小説や映画やドラマは、創作。フィクション。作りもの。
物を売るために作る物語は、ノンフィクション。作りものは絶対厳禁。嘘なんてもってのほか。なぜなら、その商品を買う人は、その商品にまつわる本当にあったエピソードを物語として読み、共感して、購入するから。それが嘘だった、作りものだったとわかった瞬間、人はいっせいに商品から離れていく。商品だけならまだしも、会社・店からも離れていく可能性だってある。
答えは簡単。
あなたがその広告を見る側だったらどうか、想像するだけでわかると思うけど、どう?
もうひとつ言うと、広告に使う物語は、できるだけシンプルで簡潔で短い方がいい。
雑誌のページにぎっしりと活字が並んでいて、興味があって読んだら広告だった時、私はがっかりする。時間返せっ!って思う。その商品が、自分にはまったく興味がなかったり、女性用の何かだったりしたときには怒りすら覚える。
逆に、広告だとわかって、長い文章がある場合は、興味があったら読むけど。それと、ところどころにあるキャッチコピーやフレーズが気になった時。
こうなると、物語とは違うスキルになるので、ここでは割愛。
でも、やっぱり必要なのはマーケティングの知識、スキルだ。
もやしとかシャンプー、歯科医や整体、インターネットを使った情報発信は、競合だらけ。今からやったところで、何の戦略も立てずにやっても、敗北を前提にやるようなものだ。
『これ、いったいどうやったら売れるんですか?』等、基礎的なことを書いている本を数冊読むだけでも、まったく違う。
そして、マーケティングをしたうえで、物語を取り入れる。
っていうか、この物語を取り入れること自体、マーケティングでいうところのマーケティング・ミックスなんだけどね。
物語をどの媒体で、どう見せるか?読んでもらうか?ってことを考えて、サイトやブログの固定ページなどに文章と画像を使うか、動画を作るかなどを決める。
ま、SNSで物語るのはさすがに不向きというか、無理。物語を見せているページに来てもらうようなキャッチコピーや短文を新たに書くのが一般的だろう。
この本を読むとわかるけど、ありふれている商品やサービスだって、物語を使えば、じゅうぶん戦える。
なぜなら、この本には、物語を売って成功した例がたくさん載っているんだから。
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