ビブリア古書堂の事件手帖~扉子と不思議な客人たち~ 著/三上延

 

 

Contents

■栞子さんと大輔が結婚し、6歳になる子供、扉子がいる。
 ずいぶん時が進んだけど、収録されている話は、あの時の物語。

『ビブリア古書堂の事件手帖』このシリーズ、好きなんだよなぁ。
本にまつわる話を知ることができるし、本を巡る物語も読めるし、登場人物のやりとりはもどかしいし。

今回は前作からだいぶ時間が過ぎて、2018年が舞台。
ビブリア古書堂はそのままの姿で残ってるけど、栞子さんと大輔は結婚している。女の子が生まれて6歳になってる。名前は扉子。

扉子がまた篠川家の女性の血筋で、6歳にして少年探偵団を読んでたりする。
物語は、栞子さんが扉子に話をするという形をとっていて、話の内容は、前作までのシリーズの時、2010年から2011年あたりに起きた出来事だ。

シリーズに出ていた登場人物たちの後日談も入っている。

好きなのと、やっぱりおもしろいのとで一気読み。

やっぱね、本好き、読書好きは、本にまつわる物語や本が出てくる話って好きだよね。それがおもしろいとなおさら。
目次の紹介の後に続きを話そう。

■目次

プロローグ
第一話 北原白秋 与田準一編『からたちの花 北原白秋童謡集』(新潮文庫)
第二話 『俺と母さんの思い出の本』
第三話 佐々木丸美『雪の断章』(講談社)
第四話 内田百閒『王様の背中』(樂浪書院)
エピローグ

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■本は人を楽しませてくれるし、幸せにもするし、知識も知識もくれる。
 人と人を繋げてくれることもある。
 けど時に、人を狂わせるし、歪ませる。絆を引き裂くこともある。

このシリーズが好きなところは、物語そのものも好きだし、登場人物たちも好きなんだけど、他には、取り上げている実在の本にまつわる話を知ることができること。

本って、昔っから人に知識や知恵を授けてくれた。楽しさをくれた。
本が好きってだけで仲良くなった人もいる。過去には付き合った人もいる。
読書会で繋がることもできる。
Twitterの読書垢の方々の読了ツイートを見ると、こんな本があるのか、この本は興味なかったけど読んでみようかと思ったりして、自分で選ばないであろう本に興味をもつことができる。

Twitterでなくても、そうして知り合った人と実際に会って、本についてあれこれと話しをしているうちにあっという間に時間が過ぎてしまったことなんて何度もある。
昼に会って、昼食をとりながら話して、その後、コーヒーを飲みながら話して、それでも足りなくて、酒を飲みながら話して、気がついたら日付が変わっていたこともある。まあ、これはめったにない特殊な日だったけど。

本って、いいことしかないって思うんだけど、それがいざ古書となると、人間の感情が入ってくる。お金のこととかもね。
この『ビブリア古書堂の事件手帖』シリーズは、ハッピーエンドだけじゃなく、古書をとおして人間の良くない部分も描いているところが好きなんだよ。

絵画とか彫刻とかでも似たようなことはたくさん起きてきただろうし、起きているんだと思うけど、本ってそれらと比べると私たちの日常に近い存在だと思うんだよね。
でも本が古書と言われるようになるとちょっと違ってくる。

価値がある本。ってだけで、本には興味がなくても古書そのものに興味が出る人だっている。商売道具としてね。
シリーズのあちこちに書いてるけど、古書の世界、古書に関わっている人の世界って、商売になるといきなりシビアだ。
当たり前といえば当たり前だけどね。

それでもこのシリーズが好きで、読み続けているのは、栞子さんの本への愛と情熱に心を動かされるからなのが、一番の理由かな。

とりあえず、佐々木丸美さんの『雪の断章』が読みたくなった。

 

 

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